不妊症治療にもインフォームド・コンセント

不妊症治療に関わらず、インフォームド・コンセントという言葉は最近の医療ではよく使われます。

しかし、この言葉はアメリカ社会で生まれた法的概念で、日本の社会には馴染まないということからも、インフォームド・コンセントはいろいろな意味で使われてもいます。

すこし脱線ですが、アメリカに旅行等で出掛けて、何かの契約をします。例えば、レンタカーを借りましょう。細かい文字がぎっしりつまった用紙を渡され、早口でよくわからない英語で説明され、こことここにサインをといわれると、つい同意のサインをしてしまいます。これはインフォームド・コンセントとはいいかねます。

不妊医療におけるインフォームド・コンセントには、少なくとも説明と同意の間に理解がなくてはなりません。説明する側も理解しやすい言葉で行う必要がありますが、患者さんも、いい加減に聞き流すことなく、理解しがたい点は聞き返し、納得がいくまで説明を受けなくてはいけません。

不妊症から立ち直る妊娠法【子宝の知恵しあわせ妊娠マニュアル】

このような不妊症の診療開始にあたっては、診療の流れの全体像を患者さんに説明し、理解を得た上で実際の検査を開始する必要があります。

患者さんや相談希望者の来院による不妊症相談に始まり、不妊症と診断された後に初めて検査が開始されるわけです。

さらにそれに基づいて不妊症治療が始まります。